あるプロジェクトに参画し、長い間フィリピンに関わってきた目線で、マカティの不動産投資を考察していこう。
フィリピンきってのオフィスとしての発展具合など、実感してきた内容から見えてくる事とは。
私は不動産関係者でも何でもないので、1個人としてのニュートラルな意見だ。
その変化と将来性は。
不動産投資する価値があるのか、無いのか。
考察した結果、私の判断を記載していこう。
目次
フィリピン不動産の価格推移の実感(叙文)
フィリピンのマカティ。
マニラという名前はよく聞くが、マカティはフィリピンに関わりあいのある人しか知らないだろう。
しかし、マニラよりも治安も良く、日本人の滞在に適した場所だ。
都市としても大きく発展しており、日本のビル群が霞んで見えるほどだ。
日本人の出張者は、マカティに宿泊する事も多いのではないだろうか。
日本人だけではなく、韓国、アメリカ、中国、ありとあらゆる国の人が多いのも特徴だ。
それもそのはず、マカティはフィリピンビジネスの中心地でもあるからだ。
約10年前から見てきたが、もともとがオフィス街としての地位は確立されていた。
しかし大都会と言えど、フィリピン。
昔は街角には、ストリートチルドレンも多かった。
雨が降ればすぐに町中が水浸し。
ビル群の間をボートに乗って移動、なんてことも経験した。
あれから10年、インフラが整備され、新規のビル群もほぼ完成されており、東京にも負けないほどの大都会となっている。
この記事では、その「マカティ」について記事にした。
フィリピンのマカティとはエリアとはどんな所?
昔からフィリピンのオフィス街の地位を確立しており、外人も多く働いているエリアだ。
日本人でも、安心して過ごせる治安のいい場所となっている。
目立った観光スポットは無いが、大きなショッピングモールも複数あり、安全にフィリピンの雰囲気を楽しめる。
日本レストランの集まったコンプレックス「リトルトーキョー」があるのもこのエリア。
近くに泊まるときは、立ち寄って食事でもすることをお勧めする。
また、リトルトーキョー周辺には、いわゆる「フィリピンパブ」も多く、夜になると日本人駐在員の息抜きの場となっている。
マカティから南に下る高速道路も走っているため、日本人駐在員がおおく住んでいる。
彼らは、会社が雇ったドライバーを使い、高速道路で通勤していることが多い。
マカティから南に下ったところに点在する「経済特区」で働いていることが多いが、その周辺は何も娯楽が無いためにマカティに駐在している場合が多い。
これは工場勤務の日本人の場合だ。
逆に、オフィスワークが主体の日系企業は、マカティにオフィスを構えている。
日本の銀行などもよく見かけるし、小さな日系ベンチャーなどもたくさんある。
フィリピンは人件費が安い、と聞くが実際いくらぐらいか?
職種や能力に格差はあるが、単純作業クラスで日給1000円、エンジニアクラスでも日給2000円、そういうレベルだ。
もし事業拡大を図っており、作業内容がマニュアルやフローに落とし込めているのであれば、フィリピンで起業するのも面白い。
場所を選ばない「インターネットビジネス」の場合は、優秀なITエンジニアも多く、規模拡大が容易ではないだろうか。
英語に問題が無い方は、チャレンジしてみては。
マカティを投資視点で考察
マカティで不動産投資を考えると、コンドミニアムが対象になるだろう。
以前、マカティの色々なエリアのコンドミニアムを、3日ほどかけて視察したことがある。
購入、ではなくて年単位で賃貸契約するためだ。
現地ローカルの不動産業者に物件探しを依頼。
そう、日本と遜色ない価格帯なのだ。
築5年以内ぐらいの新しいコンドミニアムが中心で、25-30平米のワンルーム、キッチン、シャワー、トイレ付。
フィリピンの賃貸スタイルは、家具家電一式がすでに設置されている。
住み始めるにあたり、何も必要ない。
ちなみに、個人的には狭い部屋が嫌いなので、広い部屋をリクエストしたところ、スゴイのが出てきた。
部屋の広さは約100平米、家具家電は全部あり。
20帖以上のリビング、寝室は2つ、にメイドルーム、シャワールームの他にバスルームも2つで、1つはジャグジー付き。
しかし、築20年で全てがぼろかった。
ここで気づいたことがある。
フィリピンの建物は、内装も外装も、日本の建物に比べて劣化が激しい。
築2年、3年、5年いろいろ見たが、築2年と5年では傷み具合が全く違う。
外観もそうだ。
建物自体の材質が良くない壁に塗装処理となっていることが大きいと感じる。
フィリピンの建築構造は基本的にRC造、いわゆる鉄筋コンクリート造だ。
ラーメン構造の鉄筋コンクリートで強度を確保し、壁はコンクリートブロックが積めてある。
びっくりだ。
基礎と鉄筋コンクリート柱があれば、壁を埋めるのは何でもいいのではあるが、さすがにブロックとは。
作りかけのビルを見ると、まるでレゴで作った外装になってしまっている。
しかも、フィリピンのブロックはプレス圧縮されておらず、モロイ。
軽く叩いただけで割れてしまうほど、強度が無い。
その分、軽いのではあるが。
その外装内装に対して、セメントで固めた後に主に塗装で表面をコーティングするので劣化も早い。
それで、日本と同じ程度の家賃だ。
新しい物件もどんどん建っているので、古い物件はすぐにテナントが付かなくなるだろう。
基本的に1年契約であるので、その後テナントは同じ価格帯の新しい物件に移動してしまう。
さすがに1年2年の間、住んでいると劣化が激しくて部屋を変えたくなる、というのが現地駐在員と話した時の彼らの意見。
日本人駐在員をテナントに狙えば、インカムが狙える的な話も投資案件からよく聞くが、新しい物件がどんどん建つ以上、新築時は良くても劣化後は選ばれない物件になるのでご注意を。
どうなっていれば劣化しにくい物件なのかは、少し知識があれば見抜ける。
塗装じゃない対応をしてある物件だ。
タイルやパネルで壁が作られている、デザインブロックでデコレーションされているなど「劣化」に焦点をあてて物件を選べば、価値を維持できるだろう。
ただこれは外観の話。
内装の場合は、プレビルドや新築を購入した場合は、スケルトンで引き渡される場合が多い。
要はコンクリート打ちっぱなしで引き渡される。
内装は、自分で判断していく事になるので、その場合も見た目だけではなく「劣化」に焦点をあてていこう。
意外と忘れるのが、先ほどのコンクリートがモロイ件。
コンクリートアンカーを打って、タオル掛けを取り付けたりする場合、コンクリートがかけてしまい簡単にアンカーやネジが外れてしまう。
小さい目のネジは使用しない事だ。
また水回りのコーキングとタイルも、防水防カビを選ぶこと。
2年後に、タイルとタイルの間が黒ずんだりしたら、目も当てられない。
最低限の「劣化」対策を行っておけば、耐久性のある内装となり、古くてもテナントに選ばれる物件となるだろう。
日本人駐在員は、そういうところをしっかり見て物件を選んでいる。
ちなみに、ホテルの値段はあまり変わらないように見受けられる。
ホテル自身も劣化してくるので、それに合わせて値段も下がっている物件も見受けられるが、値段が上がっているホテルはあまりない。
マカティが都市として成熟していることの表れだろう。
マカティの評価
不動産投資の基本は「良いものを安く買う」に尽きる。
このエリアはコンドミニアムの中でも、将来の需要を見据えた「質の良いプレビルド」もしくは「ラッシュセール」を買うかが重要と考える。
「ラッシュセール」と言われる、オーナーが売り急いでいる中古物件を、安全に、安価に押さえたら高い利回りが狙える可能性がある。
また、資金をしばらく寝かす事にもなるが「プレビルト」にチャレンジするのも良いだろう。
ディベロッパーを見極め、質の高いコンドミニアムを押さえれば、インカムで運営しながら売却タイミングを狙っていける。
良い物件の条件は、管理体制だ。
ディベロッパーの管理体制も調べておきたい。
同じ会社が管理している、別の既存コンドミニアムを見に行くのが良い。
テナントの対象は、年間単位で契約してくれる外国人滞在者、駐在員が良いと考える。
このエリアの物件は価格も高く、利回りを基準に家賃を設定すると、一般的なフィリピン人では手が出ない家賃相場となる。
集客に強い、外資系企業にコネの有る現地不動産会社を見つけて、客付けしてもらうのが良い。
ただ、テナント争奪の競争も激しいところなので、「長く」選ばれる物件にする必要がある。
マカティの中でも、外国人駐在員が何を求めているかを理解して、場所にはこだわりたい。
マカティのまとめ
以前はマカティを中心に、フィリピン不動産は開発されていたが、おおむね落ち着いてきているように感じる。
一部では都市発展も盛んだが、基本的にキャピタルゲインは狙いにくいと考える。
よって、キャピタルを狙うには、確実にプレビルドを狙うこと。
外国人の長期滞在者が多いエリアなので、まずはインカムメインで考えよう。
場所、価格、家賃相場を調べて、空室率を出来る限り下げても、収支に乗るか計算しよう。
また、彼らに選んでもらい、長く住んでもらう工夫が必要だ。
彼らが何を求めているか、明確にして物件と内装、家具家電を選んでいこう。
ライバルが多いエリアなので、テナントターゲットを明確にして、慎重に他物件と差をつけていく必要がある。
・インカムを考えると、テナントは年契約をする長期滞在者、駐在員となり、一度客付けすれば安定するため遠隔操作も可能。
・実感としてホテルの値段はココ10年変わっていない、一部では下落も見受けられる。
これを守れば、投資対象として見ても良いエリアと考える
各ディベロッパーの特徴や、管理体制をよく理解すること。
フィリピンのコンドミニアムの場合は、物件の価値は管理体制に依存するところも大きい。
優良テナントである駐在員が働く外資系企業に、強いコネクションの有る現地不動産会社を見つける必要もある。
一度客付けしたら、年単位の契約となるため、遠隔でも運営できるだろう。
後は、節税スキームを組み込んで、キャッシュフローの拡大を狙えばベストと考える。
実感として感じたことを、なるべく中立的に記事にしたつもり。
他のエリアも含めて、参考にしてほしい。
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