定年退職後でも、失業保険(雇用保険)を受給することが可能な点については、別の記事で紹介しました。
この記事では、定年退職後の失業保険(雇用保険)受給資格を得るための必要な手順を解説していきます。
一生懸命、何十年も働いて税金を納めてきた権利です。知らなかっただけで損することが無いように、しっかりと手順を踏んで受給していきましょう。
目次
手順1.定年退職後に失業保険(雇用保険)を受給できる資格を確認
定年退職すれば必ず失業保険を受給できるわけではありません。一定の要件を満たした場合にのみに受給されます。
では、一定の要件を満たす要件は以下の通りです。
・失業保険(雇用保険)の給付は、就職の内定していない失業状態のみである。
・積極的に就職しようと意思がある事。
・何時でも就職できる能力(健康状態・環境)がある事
・積極的に仕事を探しているのに関わらず、現在職業に就いていないこと。
ただし、注意事項があります。
次のような場合は、受給できないので十分に注意してください。
・就職するつもりがない、家事に専念、学業に専念、している。
・会社などの役員に就任している。
・自営業の方
手順2.失業保険(雇用保険)を申請して求職活動をおこなう
失業保険(雇用保険)の申請手続きをするだけでは、失業保険を受給することはできません。しっかりと求職活動を行わないと資格はもらえないのです。
失業保険を受給するためには、まず最初にハローワーク行き手続きをしなくてはいけません。
手続き方法ですが、在職中に会社で確認を取り「雇用保険被保険者証」の有無を確認してください。
次に、会社がハローワークに提出する「離職証明書」についても、内容を確認してください。特に、定年退職による会社都合による退職である旨、記載があるか確認が必要です。
会社がハローワークに提出する「離職証明書」には、本人が記入し、押印が必要となっていますので、その際に確認できます。
離職後「雇用保険被保険者離職票(-1.2)」が届きますので忘れずに、ハローワークに持参してください。
手順3.失業保険(雇用保険)の受給資格の決定
書類が全て整ったら、いよいよハローワークに出向きます。そこで「求人の申込」を行い「雇用保険被保険者離職票(-1.2)」を提出します。
※詳しい内容は「ハローワークインターネットサービスの中の雇用保険の具体的な手続き」をご覧ください。
ここで注意点や持参する物などありますのでよく読んで理解してからハローワークに行って下さい。ハローワークで、受給資格を満たしているかを確認し、問題が無ければ受給資格の決定を行うことになります。
手順4.受給資格の決定後に初回説明会に出席する
失業保険受給資格の決定を受けたら、いよいよ受給に向けて、初回説明会へハローワークに行きます。指定日の日時に開催されますので、必ず参加して下さい。
当日は「雇用保険受給者資格のしおり」、印鑑、筆記用具など持参してください。かなり多くの人が参加しますので、早めに席を確保して受給に向けて、必要事項を漏れなく聞いて理解してください。
説明会では、失業保険(雇用保険)受給に向けての大事な内容の説明をします。今後の手続き方法、受給に向けての手続き方法など、詳しい内容説明を行いますので先程と重複しますが説明をよく聞いて制度をしっかりと理解する必要があります。
手順5.失業保険は資格決定後に直ぐに受給には至らない
失業保険(雇用保険)は、直ぐに受給することはできません。
まずは原則としてハローワークに行き、求職状況などを記入し失業状態であることの確認を行います。4週間に1度ハローワークで失業の認定を受けなければなりません。
つまり、失業認定を受けるためには、次の状態にいなければなりません。
・妊娠、出産、育児などの為に直ぐに就職できない場合
・定年退職などで、しばらくの間、仕事に就こうとしない場合
・結婚などにより家庭に専念し、直ぐに就職しない場合
手順6.失業保険(雇用保険)を受給するためにハローワーク継続して出向く
失業保険(雇用保険)の資格を受けたら、ハローワークに原則4週間に1度、失業状態であることを確認の為、指定された日に行かなくてはなりません。
ここで、注意が必要になります。ただハローワークに行けばいいのではありません。
期間中には最低2回以上の求職活動を行わないといけません。
詳しい内容はインターネットのハローワークホームページの「雇用保険の具体的な手続き」を参照してください。
では2回以上の求職活動とは、どのような事をすれはいいのでしょうか。これもしっかりハローワークでは定義がありますので、理解していきましょう。
ハローワークでは「求職活動の定義」があります。
・求人企業への実際の応募
・ハローワークが行っている、就職相談、職業紹介等を受ける、各種講習会、セミナーなどの積極的参加など
・ハローワークに求人依頼をしている民間企業が行っている、職業相談や職業紹介を受けた事、求職活動を指導するセミナーなどに参加、受講したなど
・公的機関が行っている、職業相談や職業紹介、各種セミナー、個別相談、企業説明会などの参加など
・再就職に必要な各種国家試験や検定等の資格試験の受験など
※これらをごまかした不正受給には、厳しい処分もありますので十分に注意して下さい。
単なるハローワークに行く、新聞、インターネットによる求人情報の閲覧、友達など知人からの紹介、これらは求人活動として認められませんので注意して下さい。
手順7.失業保険(雇用保険)の受給中にやらなければいけないこと
失業保険受給中は、求職活動を4週間に2回以上行う必要がありますが、そのタイミングと期間ついて説明します。
最初に説明会(ハローワーク指定日)に行ったその日から、7日間後から受給期間が始まります。
しかし、受給期間が始まった日から、4か月以内に2回以上の就職活動をする必要があるのです。
就職活動報告のため、4か月後にハローワーク行く日時は指定されますが、日程を決めるタイミングで多少の日程の変更は可能です。
しかし、決定後の日時変更はまず無理と思ってください。また指定された日には必ず行って結果報告しなければならないので、長期旅行など行く際は日時を確認し重ならないようにしましょう。
参考.失業保険(雇用保険)の受給期間や受給金額について
受給期間は定年退職(会社都合で退社)を元に記載しています。参考までに受給期間は以下になります。
・10年以上20年未満勤務の場合は270日の期間
・20年以上勤務の場合は330日の期間
<60歳以上の場合の期間>
・10年以上20年未満勤務の場合は210日の期間
・20年以上勤務の場合は240日の期間
定年退職は「会社都合退職」となり上記の期間となりますが、自己都合退職の場合は期間がかなり少なくなります。
定年退職後の失業保険(雇用保険)受給資格を得るための必要な手順まとめ
定年退職後、失業保険を受給するには、必ず受給資格認定を4か月に一度行わなければなりません。その4か月の間にも2回以上の就職活動を行う必要があります。
しっかり手順を踏めば、最長330日間の受給を受けられますので、計画を立て実践していきましょう。
また、期間中にアルバイト、パート、他で報酬を受け取ると、その時点で資格を失いますので、注意して下さい。将来、再就職も視野に入れているならば、各資格取得に時間を使い自分のスキルアップを図るのも、休職期間の過ごし方として有意義になります。
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※一部、厚生労働省のホームページ、ハローワークインターネットサービスを参照しています。