僕もその一人です。「海外で仕事なんて一生無いだろ」そうふんぞり返っていたわけですが、そうもいきませんでした(汗)
「海外の展示会で外国人と名刺交換しないと!」
「欧米のビジネスマンと折衝しないといけない!」
「海外でも接待とか有るんだろうか?」
実体験に基づく、海外での名刺交換マナー、ビジネスマナーについて、初めての海外出張や、初めての海外赴任を控えたビジネスマンを対象に、解説していきますね。
目次
海外ビジネスシーンで名刺交換マナーが日本と違った件
先に伝えておきたい事があります。
海外のビジネスマナーや、名刺交換マナーについて書いたこの記事は、「IRカジノ開発エンジニア」というエンジニア視点の経験に基づく記事になります。
そもそも「IRカジノ開発エンジニア」って何?って興味のある方は、この記事の僕の自己紹介の中で少し触れています。
そして、まず日本流の名刺交換マナーを知っていないと、海外と比べようがありませんね。なので、この記事を参考に、日本の名刺交換マナーを再確認してください。
では早速、アメリカ、フィリピン、中国圏(マカオ、香港、台湾)、韓国で経験した名刺交換、挨拶、ビジネスシーンの特徴、ビジネス接待、ビジネスマナーについて解説します。
ちなみに、日本流ビジネスマナーの基本「目上」「目下」の関係で行くと、お金を払う側の「目上」の立場で経験したことを主に記載しますね。
アメリカでの名刺交換マナーを体験
僕が初めて海外出張の指示を受けたのが「アメリカ・ラスベガス」です。
展示会の出展、市場調査、が目的で、全3週間ほどの行程でした。それから毎年、年1-2回ほど、ラスベガスへの海外出張を続けています。
アメリカ、ラスベガス
【目的】
自社製品の技術機能の説明、他社部品メーカーとの技術折衝
【英会話スキル】
最初は全くしゃべれない、聞き取れない。初めて英語の勉強を始める。
アメリカ現地で感じたビジネスマナー、名刺交換マナーをまとめます。
1)会った最初は名刺交換はしない。
2)「握手」をして「挨拶、名前、要件」を伝える。
3)いきなり要件本題、折衝に入っていく。
4)お互い利益が合致したら、最後に連絡先を交換する為に名刺を出す。
5)とにかく時間を無駄にしない、要点だけ押さえた折衝を行う。
要は、名刺(ビジネスカード)を「連絡先の交換方法」として位置付けているだけで、日本のように自己紹介の一部には使っていない、という感じです。
名刺入れすら使わずに、ポケットから出す人もいます。ただし、よれよれの名刺、折れ曲がった名刺、汚れた名刺を出す人はいません。
名刺交換マナーは気にする必要はない。ただし、汚れた名刺は出さない。
フィリピンでの名刺交換マナーを体験
僕が仕事で一番行く海外が「フィリピン・マニラ」です。製造工場折衝、外注管理、IRカジノ開発、市場調査、業務は多岐にわたります。
長い時で3カ月間の滞在。短い時で1週間など、合計100往復。合計すると数年間はフィリピンにいたことになります。これは現在も続いています。
フィリピン、マニラ
【目的】
製造工場折衝、外注管理、IRカジノ開発、市場調査
【英会話スキル】
最初は英単語を並べるだけのコミュニケーション。相手の英語を聞き取れない。英会話をビジネス実践で学ぶ。
僕が英語でプレゼンや折衝できる最低限の英会話スキルを身に着けたのも、フィリピンでの長いビジネス経験のおかげです。ただ、フィリピン英語は訛りがありますが、日本人が聞き取りやすい発音です。
フィリピン現地で感じたビジネスマナー、名刺交換マナーをまとめます。
1)マナーやルールは全く存在しない。
2)日本流の名刺交換マナーのごり押しも対応してくれる。
3)日本人とビジネスをした人も多く、日本流マナーを知っている。
4)打合せの前に名刺交換する場合が多い。
5)ローカル企業の場合は自由スタイル。日系企業の場合は日本流の名刺マナー。
ただし日系企業の場合は、フィリピン人でも日本流の名刺交換マナーを上手に行います。握手からではなくお辞儀から名刺交換が始まったり、さすが日本企業、素晴らしい社員教育です。
ローカル企業では、名刺交換マナーやルールは気にする必要はない。ただし、最低限汚れた名刺は出さないようにする。
日系企業では、日本流の名刺交換マナーで対応。「目上」「目下」「両手・片手」「挨拶」「名刺入れ」を気にしよう。
ビジネス相手ではなく、昔からの友人と話をしていように、自分の立場を主張するのではなく、どれだけ相手の立場に立って話が出来るのか、が重要だと感じています。
またスケジュール遅延は当然のように発生しますので、日本人の感覚で非を責めても関係を壊します。ある意味、ルーズに構えておく必要があるところが難点ですね。
中国圏(マカオ、香港、台湾)での名刺交換マナーを体験
カジノ関連のメーカーオフィスが集まっている場所も、マカオが多いわけです。よってメーカー折衝に行くのはマカオになります。
そうは言っても、最近では年に2回程度の渡航頻度です。日本とマカオの直行便は高いので、香港に行ってから船便でマカオに入る渡航ルートですね。
フィリピン出張から直接、マカオ出張につなげる場合も多いです。香港、台湾も渡航先としてありますが、同じ中華圏なので、同じビジネススタイルです。
マカオ(稀に香港、台湾)
【目的】
展示会カンファレンス出席、メーカー製品の企画デザイン折衝
【英会話スキル】
最初は中国人の英語発音が全く聞き取れない。独特の英語発音の抑揚に慣れない。
驚かされるのが、マカオの中国人ビジネスマンは、例え現場の役職無し新人エンジニアであっても、当然のように英会話が堪能です。
マカオ現地で感じたビジネスマナー、名刺交換マナーをまとめます。
1)マナーやルールは存在するが、日本ほどではない。
2)日本流の名刺交換マナーで対応すれば問題ない。
3)「目上」「目下」はあまり気にしない。
4)日本流マナーを知っていて、日本人を「さん」付で呼ぶ場合もある。
5)打合せの前に名刺交換する場合が多い。
6)特に現地の風習を気にする必要はない。
7)打合せ後は、訪問者をお酒の場に接待する場合が多い。
もちろん、日本流の名刺交換マナーを持ち込んでも問題なく、同じように対応してくれます。
現地に合わせる風習やマナーは無いので、日本流の名刺交換マナーの対応で問題ない。
「ビジネス=金儲け」と割り切ったスタイルが多いが、実利が見えてくると、人と人の付き合いが始まる。
マカオも含めた中国圏で折衝する時は、相手にいかに儲けやメリットがあるか、を「理論」「証拠」「実績」で証明していく方法を取ると、上手くいく事が多いです。
実利に結び付く事が見えてきた段階で、ガラッと対応が変わり、接待などを受ける場合が多いように感じます。「ビジネス=金儲け」という割り切りがハッキリしています。
韓国での名刺交換マナーを体験
韓国は、日本と似たような技術が発達していて、日本では製造コストが高いけど、東南アジアでは技術が足りない、そんな時に韓国の技術とコストが使えます。
僕の中では、日本は開発、中国と韓国は試作、東南アジアは量産、こんな位置づけです。韓国へは、新規企画の試作発注、試作デザインの確認、などで行くわけです。
韓国、ソウル近郊
【目的】
新規企画の試作発注、試作デザインの確認
【英会話スキル】
韓国では英語が喋れる人は、日本並みに少ない。英会話を行う機会が少ない。
初めて韓国に海外出張した時に、夜中、飲み物を買うためにセブンイレブンに入った時の事です。20歳ぐらいの若い店員から「日本人の方ですか?」と日本語で声をかけられました。
彼は大学生で、大学では日本語を専攻しているとの事。彼は嬉しそうに僕に対して、日本の事を聞きまくっていましたよ。僕も嬉しくなって彼と長く日本語で話し込んだのですが、その後、タクシーで3回も乗車拒否され、かなり凹みました。なかなか難しいですね。
英語は、日本並み通じません。しかし、グローバル企業の場合は、担当者は英語が堪能です。コレも日本と同じですね。
韓国ソウル現地で感じたビジネスマナー、名刺交換マナーをまとめます。
1)マナーやルールは日本と同じ。
2)日本流の名刺交換マナーで対応すれば問題ない。
3)「目上」「目下」は超重要。まず役職、次に年齢が超重要。
4)日本流マナーを知っていて、日本人を「さん」付で呼ぶ。
5)打合せの前に名刺交換する。
6)打合せ後は、基本的に訪問者を接待する。
日本と変わらない韓国のビジネスシーンで、一番の特徴は「接待」です。僕のような、むしろ現場に近い客でも、客は客、まずは社長が出てきて、もてなします。僕の目の前で、社長自ら「この方をしっかり、もてなすように」と担当者に指示を出している所を見せます。
朝食、昼食、夜飯は全て、訪問先の企業の担当者が付き合ってくれる事が多いです。韓国名物なんだ、と、あっちこっちに連れまわされるわけです。もちろん、仕事後の酒の接待などもあります。
帰国時には、再度、社長が出てきて、お土産を渡してくれます。韓国伝統の茶道具を頂きました。立派な証明書まで付いたものでした。ここまでされたら悪い気はしません。まだビジネスにもなっていない状態で、この接待です。韓国が海外ビジネスで強い理由を垣間見た気がします。
韓国のビジネスマナーは、日本流のマナーと同じ。
ただし、上下関係が超重要。例え日本式マナーでは自分が「目上」でも、相手の年配者を立ててあげる必要がある。
要は、相手の会社内の立場や、年齢的に先輩の立場など「メンツを“超”重要視する」傾向が強いわけです。相手のメンツに傷をつける事だけは、避けなければなりません。
例えば、相手の中で一番上の立場の人に、非を責めたりする事を、彼の部下の前でやってしまうと「部下の前で恥をかかされた」と感じてしまう場合があるわけです。
この上下関係はビジネスの場だけではなく、プライベートの付き合いの中でも同じです。まず自分が最初に話す相手は、相手の中で立ち位置が一番上の人に絞って、メンツを立ててあげる事が重要だと感じています。
海外で外国人に日本流の名刺交換マナーを実践した件
僕は基本的に、海外で外国人に対して、日本流の名刺交換マナーをごり押しします。ステレオタイプ、なんて言葉がありますが、それですね。
ステレオタイプとは「常同的」「常同性」と訳されることが多く、「A型は真面目、B型はマイペース」など、型にはまった物事の見方をステレオタイプと言います。
日本流の名刺交換マナーをごり押しのステレオタイプは、「The日本人ビジネスマン」ココにあり、を地で行くわけです。
ただ、海外で日本流の名刺交換マナーを嫌がる人はいないです。海外では、日本の文化は固有で特別だ、と認識されているのかもしれません。
ただ、臨機応変に対応するのが大事かな、とは感じます。
海外ビジネスシーンでの名刺の役割とは?
海外でのミーティングにおいて、折衝の最終段階で、「進捗を連絡してくれ」という状態になった時、「ココに連絡してくれ」と名刺が出てくる流れです。
海外では名刺交換よりもスマートな挨拶が必要だった件
海外、とくに欧米人を相手にする打合せでは、握手から始まる場合が多いわけですが、挨拶が重要になってきます。「挨拶、名前、要件」です。
正確には、挨拶、名前を短期間に済まして、いかにスムーズに要件に入っていくか、が重要です。
これに比べ、海外でもアジアになると、「挨拶、名前、会社名、前置き、要件」の流れになってきます。
どちらにしても、最低限の英会話が出来ないと、コミュニケーションが取れませんね。話せないにしても、単語だけでも羅列して話をしましょう。必死に話そうとしている態度を相手は組みとって、つたない英単語だけでも聞こうとしてくれます。
海外と日本ではビジネスマナーの考え方が違うと感じる名刺交換
経験上、日本のように、名刺交換のマナーが存在しているのは稀です。唯一、韓国が日本と比較的同じスタイルです。これは日本や韓国と、他の海外と名刺の目的が違うからだと感じます。
自己紹介のビジネスツール。
<他の海外>
連絡先交換のビジネスルーツ。
会社と会社、人と人の信頼性の構築と社会貢献。
<海外>
金儲けの手段。
※金儲けって書くとイメージが悪いですが、ビジネスの本質ですよね。
初めは戸惑い、相手に合わせるしかありませんが、次第に慣れてくるものです。上手くやれずに凹む事も多々ありますが、それでも海外ではいつも新しい経験ができるので、楽しんでいます。
【番外編1】サラリーマン大家の個人名刺の交換マナーとは?
ちなみに僕は、サラリーマン以外に、不動産投資を行っているサラリーマン大家でもあります。プライベート名刺を作って、大家さん仲間に配ったりしています。
答えは、この記事に書いてありますよ。
【番外編2】英語が苦手なサラリーマンが英会話を克服した方法とは?
英語が苦手で、英会話なんて全くしゃべれなかった僕も、数多くの海外経験を積んできました。
まだまだ上手ではないしヒヤリングも聞き取れない事も多々ありますが、何とか最低限ビジネスで使えるレベルになったわけです。
僕が英会話の勉強で何をしたのか、書き出してみます。
<通勤時に単語系を学ぶ>
・任天堂DSの英語ゲーム「えいご漬け」。
・スマホで英語アプリを複数ダウンロード。
・スピードラーニング。
<休日に英語の文法を学ぶ>
・大手の英会話教室「ECC」に通う。
・大手の英会話教室「NOVA」に通う。
・NHKの英語口座を学ぶ。
<帰宅後に実践で英会話を学ぶ>
・激安オンライン英会話でフィリピン美人と英会話実践。
・外国人の恋人や友人を作る。
※ココで詳細を書くと長くなってしまうので、別記事にしましたよ。
普通に予約するのに比べて、倍以上のマイルがコッソリ貯まりますよ。お得な出張を楽しんでくださいね!
今回は僕の体験をもとに、海外ビジネスシーンでの名刺交換マナーについて、深掘りしていきますよ!