そこで、日本固有のビジネスマナー「名刺交換」を再確認していきます。
「訪問先の課長、訪問者側の部長、目上は誰?」
「両手、片手、同時の名刺の受け渡し方法って?」
「名刺入れにしまうタイミングは?」
「やっては駄目な勘違いNGマナーって?」
目次
名刺交換を行う前に準備しておく事
まずは、自分の名刺入れに、十分な名刺が入っているか確認が必要です。
いざ名刺交換になったとき、
「あ、名刺を切らしてた・・・」
これはビジネスマナー云々以前の問題です。
また、名刺入れに十分な名刺が入っていたとしても、その名刺が長期間、使われずに名刺入れに入ってたりすると、汚れたり、角が折れ曲がっていたりするわけです。
・名刺が汚れていないか確認。
・名刺が折れ曲がっていないか確認。
名刺交換の順番について基本ルール
名刺交換には順番があり、基本的に3つの項目で「目上」「目下」が決まります。
名刺交換の順番は「目下」側から「目上」側に名刺を先に渡すことになります。
・訪問された側か、訪問した側か。
・会社内の役職や肩書き
※状況によっては、年齢や会社関係も影響する。
ただ、お金の関係がない場合があります。この時は、訪問された側は「目上」、訪問した側が「目下」です。もちろん、親会社、子会社の関係は、名前の通り親会社「目上」、子会社「目下」になります。
この条件で「目上」「目下」が決まり、この関係の中で、会社内の役職や肩書きによる順番が発生します。
次に、1対1の名刺交換の順番と、複数の名刺交換の順番を具体例で確認していきましょう。
【具体例】1対1の名刺交換の基本ルール
【A社】製品を納める側、訪問された側、C部長
【B社】代金を支払う側、訪問する側、D課長
A社:製品を納める側、訪問された側、C部長
【目上】
B社:代金を支払う側、訪問する側、D課長
【具体例】複数の名刺交換の基本ルール
複数でも考え方は同じです。
【A社】製品を納める側、訪問された側、C部長とE課長
【B社】代金を支払う側、訪問する側、D課長とF主任
順番2.A社のE課長から(目下)、B社のD課長(目上)
順番3.A社のC部長から(目下)、B社のF主任(目上)
順番4.A社のE課長から(目下)、B社のF主任(目上)
ただし、最近の名刺交換マナーは、同時交換が主流です。目下から目上に対して、という部分が省略される場合もありますよ。
名刺交換を行う手順を再確認
「目上」「目下」の関係性は理解できたので、基本的な名刺交換の手順を確認します。
【手順1】
お金を貰う側から、お金を払う側に名刺を出す。
【手順2】
訪問者から訪問先に先に名刺を出す。
【手順3】
役職が上の者同士から名刺交換を行う。
【手順4】
目下から先にお辞儀をして「社名、部署名、氏名」を名乗る。
【手順5】
自分の名前を相手の方に向けて、右手で名刺を持ち、名刺を差し出す。
【手順6】
左手で名刺入れをもち、名刺入れの上で相手の名刺を受け取る。
【手順7】
名刺を頂くときに「頂戴します」と挨拶する。
【手順8】
そのまま名刺入れに入れずに、テーブル上に席順通りに並べる。
【手順9】
打合せ終了後に、机の上の名刺を名刺入れにしまう。
ビジネス企業名刺交換のもらい方マナー
・名刺の同時交換の場合、目上(訪問先相手)より先に名乗る。
・同時交換と言っても、基本的に目下が目上より先に名刺を渡す。
・相手の目の前で、相手の名刺にメモ等を書き込んではいけない。
ビジネス企業名刺交換の渡し方マナー
・目で読める位置、だいたい胸の辺りで名刺を差し出す。
・名刺をテーブル越しに渡さない。目上の席に移動して渡す。
・ポケットや財布に直接入れてある名刺を使わない。
・よれよれの名刺、折れ曲がった名刺、汚れている名刺を渡さない。
名刺交換の相手は名刺だけでなく名刺入れも見ている
相手は細かい所も見ている、と書きましたが、以外に注意したいのが「名刺入れ」です。
名刺交換相手の名刺入れを、注意深く見た人も多いはずです。
「あ、良い名刺入れ持ってる。こだわってるな!」
と第一印象で思わせれば、その後のビジネス取引も、こだわりを持って進めてくれる人だ、と思ってもらえます。
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この名刺入れ、カッコいいですよね。
センスのある名刺入れから、名刺をスマートに出して名刺交換に臨めば、相手も悪い印象は持たないわけです。ビジネスアイテムにこだわってる人は、カッコいいですよね。
名刺交換では両手を使うのか、片手で行うのか?
ビジネスマナーとして丁寧なのは、当然両手です。ただし両手で名刺交換をすると、名刺を差し出す順番が発生します。先ほど記載した「目上」「目下」の関係ですね。
最近では、同時に名刺交換を行うことが主流になってきています。そうなると、右手で名刺を差し出し、左手で名刺入れの上で受け取る、この形になるわけです。
どちらが良いとは言えないので、相手に合わせましょう。そのためには、両手、片手、両方の名刺交換マナーとルールを覚えておく必要がありますよ。
名刺交換で受け取った名刺はじっくり見た方が良いのか?
名刺交換で受け取った名刺を、ほどんど見ずに、スルーしてしまうのはマナー違反です。
名刺を渡した相手も、
「なんだよ、俺なんて興味無しかよ。」
ってなりますよね。
じっくり読む必要はありませんが、着席までの間に、名刺交換相手の「部署名」「役職」「名前」は目を通しましょう。
目を通している自分の姿を、相手の視界に入れて、
「僕はアナタに興味があります、なので名刺をしっかり見ています。」
と、アピールしても、相手は悪く思わないはずです。
名刺交換後の名刺の取り扱いのマナー
名刺交換が終わったら、そのまま名刺をしまったり、ノートに挟んでしまったり、コレは当然マナー違反です。
着席したら、頂いた名刺を机の上に置くのがマナーです。1名の名刺であれば、自分の名刺入れの上に、名前を自分側に向けて置きます。
複数の名刺の場合は、座っている席順通りに名刺を並べて置きます。その際、自分の名刺入れはしまっておくか、役職が上の相手の名刺だけを自分の名刺入れの上に置きましょう。
打合せ中は、そのまま机の上に置いておきます。
名刺を名刺入れにしまうタイミング
打合せが終了した時点が、名刺を名刺入れにしまうタイミングです。
ここでも注意点があります。
・机の上の複数の名刺を同時にかき集めない。
名刺交換で貯まった名刺を上手に管理する方法
名刺交換で貯まった名刺はキチンと整理しないと、ビジネスで生かすことが出来ません。
「アノ人に電話したいけど、貰った名刺、どこだっけ?」
なんて名刺の山を探して時間を無駄にしている状態を「普通だ」と認識してしまっていると、他の仕事も同じような雑な扱いをするルーズなビジネスマンになります。
最悪、その雑な癖を長年続けてしまうと、自分の行動に染みつき、ビジネスだけでなく人生をも雑にしてしまいます。
名刺整理を行うビジネスアイテムを用意して、スマートに名刺管理しましょう。例えば、こんなビジネスアイテムがあります。
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アナログですが、効果絶大です。電話したい人がすぐに見つかるわけです。山になった名刺の束を、スマートに整理してみてください。
【実体験】海外のビジネス名刺交換マナーが日本と違った件
各国のビジネスシーンに詳しいわけではないですが、僕は仕事柄、海外出張を含めて、海外でビジネスを行うことが多いです。
海外のIRカジノ開発に携わっているからです。詳しくは書けませんが、これはプロフィールをまとめた自己紹介の記事です。
ただ、海外の外国人ビジネスマンでも、日本人とビジネスを行ったことがあれば、日本流のビジネスマナーを知っています。
この記事では、海外ビジネスシーンで名刺交換をした経験を紹介しています。
【番外編】サラリーマン大家として個人名刺を作ってみた件
僕は、会社員以外にも、不動産投資を行っている「サラリーマン大家」でもあります。
会社員としての企業名刺は当然持っていますが、サラリーマン大家としての個人名刺も持っています。
個人名刺の名刺交換マナー、無料デザインの方法、個人の肩書きの付け方、ニックネームの役割、名刺のレイアウト方法、オススメの発注先、納期やコスト、全てを記載した記事ですよ。
今回はビジネスマナーの基本、円滑に人脈を構築していく「名刺交換マナー」について徹底的に再確認します!