サラリーマン大家が融資を受ける際、物件には安定性を求められる。
そもそもサラリーマンは、給料という安定した収入を持っているのが前提。
その安定したサラリーマン個人の属性に、与信枠が与えられているだけだ。
そして銀行側は、融資対象の物件が安定した運営ができるのか、その価値を中心に評価していく。
では、リタイヤ後の専業大家が融資を受ける場合は、銀行は何を判断するのだろう。
融資の話は少し長いので「セミリタイヤへの融資編」として、3話に分けて記事にした。
今回は第3話。
前回までの流れを読み直したい方は下記より。
今回は、サラリーマン大家と専業大家は、融資の評価基準として具体的に何が違うのか、考察してみた。
融資を受け続けて規模を拡大し、セミリタイヤ後も融資を受け続けていくには?
サラリーマン大家と専業大家の違いとは?
サラリーマン大家の場合は、物件の安定性を求められる。
しかし、専業大家は個人の安定性を求められる。
事業主として、どんな物件でも安定した経営を行うスキルがあるかが問われる。
専業大家は基本的に、法人の事業主となっているはずだ
その法人の過去から現在までの、事業状態を確認される。
不動産を事業として、黒字経営できるスキルがあるか。
業績を大きくする手腕があるか。
それを証明するための資料として、過去の決算資料の提出をしなければならない。
銀行側は、その資料に基づき専業大家の法人と個人の評価をしていく。
・専業大家「法人個人評価70%、物件評価30%」
セミリタイヤ目指すなら法人運営が必須
将来リタイヤを目指す我々サラリーマン大家は、早めに法人設立を考えたほうがいい。
サラリーマン大家のステージから、専業大家のステージに移行する際には、融資を受ける事のできる実績のある法人が必要だ。
サラリーマン大家時代から、法人を育てておく必要がある。
節税のための資産管理法人ではなく、しっかりとした事業を持っている法人だ。
まずは形からでもいい。
玄関に看板を掲げ、自宅の一室に事務所を構え、専用の固定電話を携帯に転送していつでも対応する、名刺もつくる。
サラリーマンには難しいところだが、法人として融資を受けるための実績作りとしてチャレンジしたい。
・自宅の一室に事務所を構える
・専用の固定電話を携帯に転送していつでも対応する
・名刺をつくる
銀行から評価される、良い決算書を積み重ねていく。
いい決算書とは何か、どうすれば良いのかは、また別の機会に記事にする。
あなたがサラリーマン大家のステージを卒業する頃には、融資を受けることのできる法人に育っていることだろう。
ここまで読んでいただいたサラリーマンの方であれば、今後の自分の戦略が少し見えてきたのではないだろうか?
最後に、具体的にどう進めていけばいいのか、私の考えをまとめた。
サラリーマン大家から専業大家にステージ移行するには?
サラリーマン時代から専業大家までを、「4つのステージ」に分けて考えてみた。
期間:1~3年目
・自分の与信枠を残しながら、安定運営できる物件を買う。
・安定運営できる物件を増やす。
・できれば法人設立して、法人所有とする。
・貯金に努める、収益も全て使わない。
・集客/リフォームの知識をつける。
期間:3~6年
・自分の与信枠を使い切った後は、現金や政府系金融機関を利用して安い戸建てを購入。
・勉強して得た集客やリフォーム知識を、実践してスキルを得る。
・できれば、安い戸建ての購入を続ける。
・貯金に努める、収益も全て使わない。
・全部、法人事業として行う。
・決算書の黒字を意識する。
期間:6~8年
・第1~2ステージに購入した物件の売却チャンスを狙う。
・売却により、財務体制を整える。
・購入する物件は、収益性の高い物件に限る。
・法人として、収益性の高い物件融資を打診してみる。
期間:8~年
・収益性の高い物件の売買を行いながら、キャッシュフローを大きくする。
・キャッシュフローが目的金額を超えたら、サラリーマンをリタイヤする。
しかし、普通のサラリーマンでも実現可能に見えてきた。
まとめ
サラリーマン大家の初期ステージ、成長ステージ、卒業ステージ、専業大家ステージ、それぞれ融資に対して取る行動は変わってくる。
サラリーマン大家と、専業大家では、融資戦略も選ぶ物件も変わってくる。
初期ステージのサラリーマンが、セミリタイヤを果たした専業大家が選んでいるような収益性の高い物件にチャレンジするのは、逆に遠回りになる可能性がある。
まずは、サラリーマン大家としての王道を進もう。
・サラリーマン大家の初期ステージ
「第2ステージ」
・サラリーマン大家の成長ステージ
「第3ステージ」
・サラリーマン大家の卒業ステージ
「第4ステージ」
・専業大家への移行ステージ
そのステージで、行うべきことを行うだけだ。
サラリーマンだけど、実は裏の顔は「社長」もしくは「代表社員」
これだけは、どのステージでも同じ。
これらをサラリーマンのリタイヤを実現し、その後も融資を受け続ける「コツ」だと定義したい。
不動産投資に一発逆転はない。
小さくても正しい選択を、地道に積み重ねよう。
この記事は「セミリタイヤへの融資編-全3話」の最終話。
第1話と第2話を読み直したい方は下記より。
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